お知らせ
ごあいさつ
メッセージ
当院は、2016年12月に開院した、声の障害の診療に特化したクリニックです。声の障害の中でも、歌手や声優、俳優など、プロフェッショナルに対する診療、および歌唱発声や声の障害に関する研究を専門的に行っています。
一人でも多くの方に自らの声帯の状態を日常的にチェックしていただき、必要であれば医療的ケアにゆだねていただくことによって、すべての声のパフォーマーが安心して活動できる環境を創り出すことを理念に掲げています。
当院は、パフォーマーの音声障害の診療ではトップランナーの一人である院長・駒澤大吾と、長年ソリストとしてキャリアを積んできた副代表によるユニークなクリニックです。
院長は、国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科声の相談・治療センターおよび山王病院東京ボイスセンターで声の診療に従事し、声を使うパフォーマーの音声障害の診療を専門として参りました。
一方、副代表は、難治性の疾患である脳脊髄液減少症および先天性変形股関節症に起因する身体の不調を、様々なコンディショニング技法でコントロールしながら演奏活動を継続してきました。2006年、当時の所属事務所とクライアント間のミスにより声を酷使せざるを得ない状況に追い込まれたことから声帯を傷め、それに端を発した不調の解決をはかるため、職業歌手を継続しながら国内外の専門医を数多訪ねました。しかし、顕著な改善はみられず、ベルリンの医師の勧めにより渡欧を繰り返して発声を作り変え、テクニカルな工夫を追求することで声帯の不調をカバーしてきました。
その後8年を経て、山王病院東京ボイスセンターを再受診したのをきっかけに駒澤の診療を受けることとなり、共に根本原因を探るに至りました。自らの音楽表現に必要な音色のバリエーションと持久力を取り戻すまで、演奏活動の合間を縫いながら8度の手術と訓練を重ね、その後も演奏現場にて更なる追求を続けています。
これらの経験から、私達はパフォーマーに真に寄り添った診療・サポートの実現を願い、赤坂にて開院いたしました。日々の診療から得られる情報はもちろんのこと、副代表の舞台現場から導き出された声に関する着想に対し、院長が医学的な裏付けを与えることによって、患者の方々に還元できる新たな知見が生み出されています。
院長紹介
- 院長 駒澤大吾
- 略歴
- 平成19年 奈良県立医科大学医学部医学科卒業
- 平成19年 国際医療福祉大学病院初期臨床研修医
- 平成21年 国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科
- 平成24年 山王病院 国際医療福祉大学東京ボイスセンター
- 平成28年 声のクリニック 赤坂 こまざわ耳鼻咽喉科 開院
奈良県育ち。大阪府立大学総合科学部で修験道など山岳宗教の研究をした後、国語教師をしながらソウル・R&Bの歌唱を故渡辺大之伸氏に師事。
平成13年、32歳で奈良県立医科大学医学部医学科入学、平成19年 同卒業。
卒業時から音声医学を志し、国際医療福祉大学病院で初期臨床研修終了後、平成21年から国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科および声の相談治療センター勤務。平成24年から山王病院内にある国際医療福祉大学東京ボイスセンター勤務。数多くの職業歌手の音声障害に対する治療および手術に従事。特に、音声酷使に伴う遷延性声帯炎に対する継続的治療、声帯結節・声帯ポリープに対する喉頭微細手術の経験は豊富である。また、片側声帯麻痺に対する披裂軟骨内転術など喉頭形成術も数多く執刀。全国から音声医学研修のため訪れる医師に対する指導にも定評がある。
現在も都内ライブハウスでヴォーカリストとしても活動中。ファルセットと地声を柔軟に使い分けるスタイルで、好評を博している。
- 所属学会
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
- 日本喉頭科学会
- 日本口腔・咽頭科学会
- 日本音声言語医学会
- 日本気管食道科学会
- 主要著作(筆頭著者のみ)
- 駒澤大吾,許斐氏元,大貫由香,渡邊雄介:嗄声を主訴とした再発性喉頭アミロイドーシスの3例. 喉頭 22:132-138, 2010
- 駒澤大吾,渡邊雄介:声帯のアンチエイジングー女性の声が嗄れたり低くならないためには. Modern Physician 34:1272-1276, 2014
- 駒澤大吾:生きること 声をだすこと 歌うこと. 癒しの環境19(2-3):99-104, 2014
- 駒澤大吾:急性声帯炎に対するステロイド加療. Modern Physician 36:378, 2016
- 駒澤大吾,廣崎真柚,長谷川智宏,渡邊雄介:職業歌手の声帯粘膜微小隆起病変-垂直方向の位置からみた手術適応について-. 喉頭 32:129-145, 2020
- 学会発表
- 最近2年間に経験した咽頭・喉頭アミロイドーシスの3例、第21回日本喉頭科学会、前橋、2009、ポスター
- 当科音声外来 診察室から訓練室へのリアルタイム声帯動画画像モニターシステムの試み、第54回日本音声言語医学会、福島、2009、口演
- 片側声帯ポリープを有する男性プロ歌手の歌唱発声調節機構についての一考察、第61回日本気管食道科学会、横浜、2009、口演
- 歌唱におけるpitch固定時の空気力学的変化についての一考察、第22回日本喉頭科学会、下関、2010、ポスター
- 音声外科手術クリティカルパス作成の試み-披裂軟骨内転術+甲状軟骨形成術Ⅰ型と喉頭微細手術-、第55回日本音声言語医学会、東京、2010、口演
- 声帯内自家脂肪注入術が奏効した声帯奇形の一例、第23回日本喉頭科学会、旭川、2011、口演
- 歌唱時に使用するミックスボイス(mixed voice)について-職業歌手を被験者とした空気力学的検査および音響分析による検討-第56回日本音声言語医学会、東京、2011、口演
- 男性職業歌手の声の翻転歌唱障害に対する歌唱リハビリテーションの試み、第56回日本音声言語医学会、東京、2011、口演
- 三田病院における音声外科研修について(研修医の立場から)、第24回日本喉頭科学会、金沢、2012、口演
- 片側声帯麻痺症例に対する喉頭枠組み手術の術前リスク評価、第26回日本喉頭科学会、那覇、2014、口演
- 片側声帯麻痺症例に対する披裂軟骨内転術+甲状軟骨形成術Ⅰ型の術前リスク評価、第66回日本気管食道科学会、高知、2014、口演
- EVP(elite vocal performer)の中でも歌手に特徴的に生じる歌唱時音声障害を見分けるには、第27回日本喉頭科学会、東京、2015、公募シンポジウム
- 高音発声の維持も目的とした披裂軟骨内転術の一工夫、第77回日本耳鼻咽喉科臨床学会、浜松、2015、ポスター
- Singer’s dystoniaというべき病態が推測される男性歌手の歌唱時音声障害について、第28回日本喉頭科学会、大阪、2016、口演
- Elite Vocal Performers(EVP)に特徴的に発症する、「声の裏返り」を主訴とする歌唱時音声障害の診断・治療について、第61回日本音声言語医学会、横浜、2016、公募パネルディスカッション
- 歌唱者の微小声帯病変に対する喉頭微細手術の工夫、第30回日本喉頭科学会、高知、2018、口演
- 歌唱音声悪化予防を目的としたEVPに対する喉頭微細手術、第63回日本音声言語科学会、久留米、2018、口演
- 声のケアとしての上咽頭処置、第7回日本病巣疾患研究会、東京、2019、口演
- 歌声の診かた、第9回音楽家医学研究会、東京、2019、依頼講演
- 職業歌手の声帯粘膜微小隆起病変-垂直位置から見た手術適応について-、第32回日本喉頭科学会、仙台、2020、公募シンポジウム
- 上咽頭処置による歌声障害の改善効果、第33回日本口腔・咽頭科学会、仙台、2020、口演
- 歌声のケアとしてのEAT作用機序仮説、第9回日本病巣疾患研究会、東京、2021、口演
- 手術手技イノベーションが生まれる場-東京ボイスセンターの場合-、第31回日本頭頸部外科学会、大阪、2022、教育パネルディスカッション
- Vocal Fold Microlesions in Professional Singers: Indications for Phonosurgery Considering the Verticality of Lesions、The 16th meeting of the International Association of Phonosurgery、Kyoyo、2022、Poster
- 上咽頭の軽微な隆起性病変に対する減量処置により歌唱音声の自覚的改善が得られた3例、第67回日本音声言語医学会、京都、2022、口演
- 依頼講演
- 駒澤大吾,駒澤美和子:EVP診療の基本と最近の話題、第8回小文式研究会、大阪、2017
- 駒澤大吾,半田美和子:レガートとは何か~臨床音声医学から考える~、東京二期会日本歌曲研究会、東京、2022
当クリニックの特徴
当クリニックは、耳鼻咽喉科のなかでも声の障害に特化したクリニックで、特に歌手や役者など、
声を使うパフォーマーの音声障害の治療を得意にしています。当クリニックの特徴は、以下の通りです。
声帯の精細な診察
声の原音を生み出す声帯を診察するには、声帯の形を、動きの中で捉えなければなりません。単に声帯が腫れているというような形状の評価のみをするのではなく、その腫れが、どの程度正常な振動と閉鎖を邪魔しているかを評価しなければなりません。
声帯結節や声帯ポリープといったポピュラーな疾患も、単にそれが存在するということだけではなく、声帯のどの位置に存在し、どの高さのどういう発声の時の振動・閉鎖を邪魔しているかを観察しないと、パフォーマーにとっては意味がありません。また、歌唱ジャンルや個人のスタイルによっても声帯の使い方はバリエーションがありますので、加味して評価することが必要です。
ポピュラー音楽においては地声と裏声を分けて考えるのが通例ですが、声帯の振動は地声と裏声とでは異なりますので、声帯の腫れ具合によっては、地声だけ、裏声だけ、ある高さだけの不調が出てきます。一方、場合によっては、声帯が腫れていても特に歌唱の障害の原因にならず、声に独特のニュアンスを加味する個性の源になっていることもあります。
声帯の動きは、本来は毎秒100回を超える振動をしているため、肉眼で捉えることは不可能ですが、ストロボスコープという機器を使うことでスローモーション化して見ることができます。
当クリニックでもストロボスコープを用い、撮影したスローモーションの声帯の動きを手術用4Kモニターでご本人と一緒に見て丁寧に説明いたします。声帯の様子は自由にスマートフォンなどで撮影していただけます。
手術用の4Kモニターを声帯の外来クリニックに導入するのは世界初の試みで、メーカーのホームページでも紹介されています。かつてないレベルの精細な画像で微細な病変の有無まで声帯の状態をチェックした上で、声の症状の真の原因が声帯の器質的病変であるかどうか十分に検討し、最適な治療方法を提示します。
上咽頭擦過療法の実施
鼻とのどの間にある「上咽頭」は、歌声の共鳴腔として重要であるばかりでなく、声帯のコントロールの神経的な調節においても重要である可能性が高い領域です。一方で、自覚がないままに慢性炎症が生じやすい部位であり、声帯そのものが正常であっても歌声の不調が生じる原因となることが多くあります。当院では、上咽頭のコンディショニングが、歌声のコンディショニングにとって重要であると考え、近年再評価されている上咽頭擦過療法(Bスポット、EAT)を積極的に行っています。また、上咽頭に存在するアデノイド(咽頭扁桃)の膨隆が共鳴の障害になっていると思われる場合は、院内で局所麻酔下に減量処置も行なっています。院長は日本口腔・咽頭学会の上咽頭擦過療法検討委員会の委員でもあり、歌声にとっての上咽頭の重要性を啓蒙しています。
声の緊急事態に対応
近年のライブブームで、ポピュラー音楽の歌手のスケジュールはどんどんタイトになっています。また、演劇や声優の世界も同様の傾向にありますので、声のパフォーマーにとって、声帯のコンディションは保ちにくくなる一方です。コンディション管理が最も厳しいクラシックや、パフォーマーの数が少ないために一人当たりの公演数が多い伝統邦楽においても、声の緊急事態にすぐに対処できる医療機関が望まれています。当クリニックは、パフォーマーの皆さんがアクセスしやすい赤坂サカス直近にあり、日曜日診療も実施し、パフォーマーの声の緊急事態に可能な限り対応しています。
声帯の炎症が声の不調の原因である場合、程度にもよりますが、タイトなスケジュールの中で回復を図るにはステロイド等の点滴治療が必要になることもあります。当クリニックでは、十分に副作用の軽減に配慮して行います。
歌唱の機能的障害にも対応
歌声の不調の中には、声帯という楽器そのものには何の障害もないのに、演奏方法の不調に陥ってしまっているタイプのものがあります。この場合、単なる声のかすれではなく、それまで何の問題もなかった音域でコントロール不能な声の裏返りやつまり・途切れ、息漏れが生じることが特徴です。いわば歌声のスランプですが、自分の力ではなかなか戻すことができず、厄介です。
当クリニック院長は、わが国で唯一、2011年からこの状態について学会発表を継続して行い、リハビリテーションによる治療を行ってきましたが、近年は上咽頭の病変に対する治療や干渉波電流機器も組み合わせ、さらに治療の幅を拡げ多面的に対処しています。また、専門的な歌唱訓練が回復に有効であると判断される場合には、「Akasaka Voice Health Center」でのトレーニングを紹介しています。
なお、治療対象になるのは可能だった歌唱が不可能になった場合で、単に歌唱技術が未熟な場合は病的なものではありません。
日帰り喉頭微細手術の実施
声のパフォーマンスを障害している声帯微小病変に対しては、全身麻酔下の顕微鏡手術(喉頭微細手術)が必要となります。一般的には入院となることが多いのですが、2021年3月から「東京日帰り手術クリニック」において、身体的・時間的・経済的な負担を軽減した手術が可能となりました。院長は長年、声帯微小病変の手術法について研究・改良を重ねてきましたが、「東京日帰り手術クリニック」では、院長が整えた設備類を用い、自ら執刀いたします。詳細は日帰り手術パンフレットをご覧ください。ただ、日帰り全身麻酔での手術が可能なのは、小学生~65歳未満の健康な患者様です。それ以外の方については、他病院に入院しての手術をご提案いたします。
歌声と声帯の基礎知識
現在リニューアル中です。
近日中に最新の情報を公開しますので乞うご期待!
QandA
保険診療はおこなっていますか?おおよその料金は?
当クリニックは保険医療機関です。したがって何らかの声の症状がある場合、保険診療でまかなえます。声帯をチェックするファイバー検査、音声の専門的検査、治療全てが保険診療です。
重度の声帯炎で本番が近い場合、声帯チェックをして点滴・院外処方などを行うと、3割負担で約¥5000となります。
予約の取り方を教えてください。
初診希望の方はお電話でお問い合わせください。再診の方は原則としてWEBでの予約をお願いしておりますが、当日の緊急受診に関しては、お電話頂くと受診可能な場合があります。
駐車場はありますか?
申し訳ありませんが、当クリニックの専用駐車場はありません。近隣のコインパーキングをご利用下さい。
薬の処方について教えてください。
基本的には院外処方ですが、時間に余裕がない場合などには院内処方も薬によっては可能ですので、受診時に医師にお伝え下さい。
診察の様子を人に聞かれたくないのですが。
当クリニックの音声検査室は防音室ですが、診察室も、ある程度の防音壁・防音ドアとし、診察の様子が待合室にあまり聞こえないように配慮しています。
ボイストレーニングはしていただけるのでしょうか?
当クリニックは医療機関です。医療は、患者さんが障害を受ける前の元の状態に戻すこと、すなわちリハビリテーションが役割です。したがって、元の状態よりもさらによい状態を目指す、ハビリテーションは、医療の守備範囲外だと考えています。いわゆるボイストレーニングはリハビリテーションではなくハビリテーションに含まれると考えられるため、基本的には当クリニック内では行ってはいません。ただし、現在の歌唱スタイルでは障害の反復が予想される場合、疾病予防としての歌唱訓練は希望がある場合行います。
声の調子が悪いのに稽古が続き、困っています。本番のどれくらい前に受診すれば、間に合いますか?
ご質問が声帯炎の場合とすれば、なるべく早く受診いただくのがよいと思います。声帯炎を無処置のまま稽古を続ければ、どんどん悪化する可能性もあります。ただ、どうしても早期に受診できない場合もあるかと思います。ジャンルや声帯炎の程度にもよりますが、本番3日前に受診して集中的な治療を受けていただければ、何とかしのげる場合が多いと考えています。
声の症状以外はどんな病気に対応していますか?
申し訳ありませんが、声の診療に注力するため、現在、声の症状以外の初診はお受けしておりません。
診療案内
診療科目
耳鼻咽喉科
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:30~12:00 (11:50受付終了) |
◯ | ◯ | ー | ◯ | ◯ | ー | ◯ ※1 |
14:00~17:30 (17:20受付終了) |
◯ | ◯※2 | ー | ◯ | ◯ | ー | ー |
※1 9:30~14:00(受付終了13:30)
※2 特別外来
休診日
水曜・土曜・日曜午後・祝日・第4火曜
受診予約について
当院では、感染対策の意味からも、待ち時間を出来るだけ少なく受診していただけますよう、 完全予約制とさせていただきます。
再診の方には基本的にWEB予約をお願いしておりますが、当日の緊急受診に関しては、キャンセル等で診療可能な場合もございますので、お電話でお問い合わせください。
初診の方のご予約は、十分に時間を確保するために調整いたしますので、WEB予約ではなくお電話でお問い合わせください。
予約のお時間は、診療開始のお約束のお時間ではなく、ご来院いただく目安の時間です。 状況により、予約をお取りの方も長時間お待たせすることがございます。
<待ち時間の目安>
予約をお取りの方 15分~1時間半
お電話:03-5797-8558
- アクセス
- 〒107-0052
東京都港区赤坂2-17-65 ウィンド赤坂Ⅱビル 2F
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